トライアングルストラテジー三周目

ベネディクトルート。

 

今までやってきたルートの中で一番「は?」ってなった。

セレノア(プレイヤー)はエスフロストとの共闘路線は選んだが、ベネディクトに操られることを選んだわけではない。

それなのに進行上セレノアがベネディクトの言うことをほいほい聞いてEDまで突っ切らされてしまう。イラつく。

グスタドルフに内心(飛ぶことを選ばされただけか…)みたいに言われてたけどそれは見てるこっちも思った。ノゼリアの古い秩序をぶっ壊して領民の安寧を得ることは期待したが勝手に王にさせられてグリンブルクまで背負わされてしまう。コーデリアにやらせろ。ベネディクトも頑張ってるし悩んでるんですよアピールをところどころで差し込まれるが知ったことではない。勝手にやってろ。というか彼が一人で頑張っていい感じにやったのがフレデリカルートだったしそっちの印象はまったく悪くない。

「指導者になることを望まない人間こそが指導者として最も相応しい」という矛盾をベネディクトが承知して神輿にされて結果的に成功する流れなので、どうなのと思う。コスモ・バビロニアか?ザビーネが成功したような話なので気持ち悪さが抜けきれない。

あと中途半端に力こそが全てと言い切らないせいでローゼルの救済も半端だし。「気に入らない奴はぶん殴る!それが俺の目指すノゼリアだ!!」ぐらい言えばいいのに。

 

それ以外のキャラ立ては至って素晴らしいと思う。目先の状況に踊らされて自分の判断が誤っていたことに最期の瞬間に気付くクラルス、不利な状況で打って出た上に自分の信念を通そうとするエグスアム(実際にこの戦闘はこのゲームで数少ない「敵の方が不利」な戦闘だと一目でわかるのが素晴らしい。ラスト手前なのに上級兵が少ない)。兄としての側面を見せるグスタドルフ。ベネディクトも立ち振る舞いはともかくセリフのキレはここにきて増してる。あとフレデリカが離脱しないので最終的にセレノアが心から信ずるに足る相手になったのは彼女のような気がする。

 

ファンタジー戦記物として一種の王道を進み切ったフレデリカルートと、出血を強いながらも多数の幸福を選ぶ現実的な妥協を取ったロランルートに比べると、なんだったのこのルート?って感じ。

いわゆるカオスルートとして選んだけど結局主人公もまた誰かの言いなりだったという皮肉が成り立たないとは言わない。ただしそれは、「プレイヤーの選択で進む道が変わる」を売りにしたゲームでキャラクターが勝手に手を離れて落ち着くべき結末ではない。

 

システム面は今更言うこともないよね。あるけど。

3ルート全部やって思うんだけど、共通して終盤のマップの方が楽。序盤は戦力が整わないからとかじゃなく最初からレベル50フラットの三周目でもその印象が変わらないから本当にそうなんだと思う。

ジバンナを結構使った。「移動でTP回復」はコマンド選択するときに回復予定のTPをコマンドに反映させられていないのが非常に枷になっている。つまりTP4のときに移動して母なる大地の咆哮を撃とうとしたときに撃てないとか、「移動確定」のコマンドがないせいでTPが回復できていない。テストプレイしてて誰も疑問に思わなかったのこれ?

 

 

余談

女神転生4のロウルートが好き。君たちは神の武器です。ケガレを消してきてね。ケガレを消してきた君たちもまたケガレだね。じゃあね。

言ってることに筋道が通ってて好きなのと、君たちには消えてもらうという展開になった時に主人公が特にリアクションしないのが素晴らしい。ちょっと待ってくださいとも、それが本望ですとも言わない。ただ神の手によって消されるという厳然たる事実で終わりを迎える。そこからどう受け取るかはプレイヤーに委ねられているので、美しい終わり方だと思う。